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2014年8月25日 (月)

趣向の華 ファイナル公演

なぜ最後なのかしらと残念に思いつつ、趣向の華を観に日本橋劇場へ通いました。
チラシには、3日間4種類の公演の演目名があります。出演者として、若手の御曹子連中14人と親御さんたち9人のお名前がずらり。どなたがどの演目に出演されるのか不明という、ざっくりさが斬新な会です。
初日幕開けの演目は、超シュールでした。そして不条理。シュール歌舞伎そうですねは、モダンアートのようでした。(「袴歌舞伎 表裏おうち騒動」)。続いて、「トークショー」。以前からグダグダな感じがよいところと思っていました。ファイナルらしいグダグダ感満載。続いて「煎じもの」。染五郎さん勘十郎さん菊之丞さんと会主3人による新作舞踏。決めるところがきちんと決まる。気分がいい。ここまで、少しぐずつきすぎていたのでね。勘十郎さんの踊りをみるのが大好きなので、よかった。最後に紅葉狩。中心に壱太郎くん。壱くんを中心に義太夫、長唄、常磐津がグルングルン演奏。真ん中で壱くんが囃子まくる姿をみて、みんなに愛されているなぁと思う。
翌日は「演奏 六斎念仏」すごくかっこよかった。昨日の疲れがとれました。4人の太鼓は、菊之丞さん染五郎さん新悟くん壱くんの順に輪唱のように打ち鳴らしていく。緊張感あふれていました。三味線は勘十郎さんをはじめずらっと。この三味線がかっこいい。レミラ調という普段用いることのない調子だそうです。確かに変わっていて、とにかく格好よかった。いいなぁ。毎日これを演奏したらいいのに。そのあとに、「袴歌舞伎 東海道仇討絵巻」とにかくありとあらゆる子を活躍できるようにという愛にあふれていました。まんべんなく活躍するものだから、まとまりとかメリハリとかがどこかへ行ってしまいました。でも愛情はいっぱい。転換や休憩が多く、盛り上がったなと思うと一休みでしぼんでしまうのがもったいない。
大分疲れがたまってきたところ、夜の部。この3演目最高にいいです。毎日夜はこれにすればいいのに。他の部と、よりバラつきが出ちゃう程完成度が高かった。新作でないので、多くの人がでない(そろぞれの見せ場をつくらなくていい)。袴歌舞伎でない。そこがよかったのかもしれません。若手の実力がついてきたことをみせつける舞台でした。よくでききていました。新派の「小梅と一重」。真山青果。特に私が注目している御曹司大集合。謎の色気あふれる米吉くんに、上手過ぎ梅枝くんに、愛される人壱くん。お洒落番長の歌昇くん。面白かった。米吉くんの芸者蝶次のっぷりが見事。かよわい中のしたたかさ。男子は軒並みだまされるでしょう。女子力の高さに恐れ入りました。かないません。女子力師匠です。飲んで手をつけられなくなった芸者小梅が壱くん。酒乱っぷりも面白い。昔藤十郎さんがなさったお役だそうです。目に浮かぶような小梅っぷりでした。そんな三角関係に意見しようとするのが、一中節の師匠の梅枝くん。達者。その貫録たるや玉三郎さんのようでした。姉さん!茶屋の梅乃さんと蔦之助さんもしっかりしていて、本公演でいけるのではとおもう程面白かった。次に怪談蚊喰鳥。宇野信夫さんの芝居。蚊喰鳥は蝙蝠のことだそうです。後味の悪い終わりですと聞いてから芝居をみる。怖い怖いと思って観る。何か起こりそうで、絶対にそろそろという空気なのだが まだこない。人として間違っているからきっとバチがあたるであろうと思うけど、いざ起こるとなると怖い。起こりそうで起こらない怖さっていうのが新鮮だった。亀寿さんの悪人っぷりも新鮮。亀三郎さんの按摩2役も巧みでした。みんなに好かれているのが常磐津の師匠をしている壱くん。集中してみせる力がありました。こういう演目が続くと、もうファイナルなのも仕方ないかなと思う。しっかり育っています。最後に「花の万華鏡」宝塚の演出家による歌舞伎レビュー。違う世界なのだけれど、うまい具合にいい違和感があって面白い。これこそ趣向の華!宝塚ぽくて極上でした。浴衣やら紋付やらとっかえひっかえ。流し目風にお客様に視線を送るの。舞台の上は真剣ですが、見ている方はたびたび爆笑。梅枝姉さんがトップスターという扱いでした。すばらしい。ビバ趣向の華。いい締めです。
私的最終回。「袴歌舞伎 雪解真徳利」春虹先生作とみんなが口ぐちにいっていた壱くん作演出。忠臣蔵外伝。言いたいことが沢山詰まっているのを、なんとかしぼって仕上げようとした努力を感じました。いい台詞を沢山用意し、心に響くものをという思い満載でした。少々思いが重たいところもありましたが、じーんとしちゃった。あつい舞台でした。菊之丞さん演出の「三軒長屋」。毎回恒例の落語の歌舞伎舞台化。この企画はすばらしい。もう少し練れそうな気も少しします。ファイナルになっちゃうのは断然惜しい。ドリフを彷彿とさせるテンポで、きちんと歌舞伎。舞台の場面展開に時間をとられることない工夫も素晴らしい。新悟くんが鳶頭の女房。威勢良く叱り飛ばしていく様がすばらしかった。ドリフでの位置ならいかりや長助です。たくましい。うまくなったなぁ。梅枝くんが鳶の若い者。こういうのもこんなにうまいのか。なんでもできちゃう男です。けれどもアドリブはからきしのようです。歌昇くんの鳶の若い者との組み合わせがよかった。翫雀さんの舞台あらしっぷりがものすごかった。残らずさらっていきました。ベテランをみせつけていました。あー面白かった。くたくたになるほどみました。

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2014年8月19日 (火)

八月納涼歌舞伎 第三部

プチ夏休み。両親と一緒に歌舞伎へ。奮発して1階の1列目から鑑賞。いやぁ近い。極楽。
最初に「勢獅子」。幕があがると中心に芸者 七之助 を中心にずらっと並んでいて華やか。七くんは中心でキリっと美しい。芯でいることに全く違和感がなく、立派でした。
頭と呼ぶ声に、鳶頭の三津五郎さんと橋之助さん。三津五郎さんが元気になって本当によかった。曽我物語を踊りました。うまい。なんとも言えない安定感だなぁとうなりながら鑑賞。獅子舞は、勘九郎ちゃんと巳之助くん。そろそろいくかと鳶頭同志が顔をみあわせて用意にいくところとか、ついつい厳しい親の顔になって子供が踊る姿をみる顔つきなど、いろんなところを堪能。鳶の者のすっきりとした国生くんとなんともいえない愛嬌のある虎之介くんの踊り。一生懸命がさわやかで、目をひきました。獅子舞は、勘九郎ちゃんと巳之助くんどっちが後ろを受け持っているか想像しながらみる。若手がどんどんうまくなってきたなぁ。華やかでした。
次に「怪談乳房榎」。訪米歌舞伎凱旋記念 三世實川延若より直伝されたる 十八世中村勘三郎から習い覚えし 怪談乳房榎 中村勘九郎三役早替りにて相勤め申し候。この大袈裟な題目をみたら奮発せざるをえません。あーニューヨークにみにいきたかったなぁ。
小山三さんの登場に喜び、七くんがキレイだなぁと感心し、勘九郎ちゃんの中に勘三郎さんをみてジーンとする。私の想像以上に獅童さんががんばっていました。ニューヨーク公演の凱旋記念ということで、英語を交え ニューヨークでの工夫もみえたところも面白かった。
早替りが見せ場ではありますが、かわる技術だけではない。 それぞれの役の演じ分けや、かわるにいたる雰囲気がいい。 3人くらいの早替りが、一番それぞれの人物をもしっかり楽しめるのかもしれないと感じた。 卑怯で非道なのだけどうわばみ三次が一番かっこいい。とにかく決まる。ニヤっと笑って引っ込んだり。悪いヤツなのだけどかっこいいんだなぁ。正助どんの愚直なまでの一途な忠臣もよく似合っている。こういう技術が難しい。バカなわけじゃない。愛されないといけないから。俊敏に動き、絶妙の間でみせる。楽しかった。 沢山替わることで魅せる面白さも目新しかったかもしれない。そういうものを作る挑戦もかう。とにかく早替りし続けることを否定するわけではないが、ひとつひとつの役がしっかりしていて、多少の余裕がないと 早替りショーになってしまう。それはちょっと違うんだなぁ。難しいところです。
最後に勘九郎ちゃんが、三遊亭円朝になり登場。汗びっしょり。 しずかに丁寧に芝居を締める。よく練られた舞台だと再確認しました。

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2014年8月17日 (日)

八月納涼歌舞伎 第一部

ワクワクと納涼歌舞伎へ。第一部と第二部を通して鑑賞します。まずは、一人で第一部。3階の一番後ろから鑑賞。
「恐怖時代」と「龍虎」。龍虎は、獅童さんと巳之助くんが必死にがんばっていました。
谷崎潤一郎の「恐怖時代」。どんなものかしらと興味津々でした。悪人ばかり出てくる異色作で、大正5年の発表当時、悪魔主義といわれて発禁になったそうです。ものすごいすざましいお話で、ギョっとしながら観る。ギョっとするけれどやめられない。扇雀さんが魔性の女お銀の方。春藤家の殿の橋之助さんは残忍。お銀の方は、その殿の妾でありながら、家老の彌十郎さんといい仲。亀蔵さん演じる医者の玄沢先生をその気にさせては毒殺し、正室に毒をもらせ、最終的には自分の腰元 萬次郎さんといい仲になっているお小姓の伊織之介 七之助さんといい仲なのであった。若くきれいな人がいいのね、結局。 
芝のぶちゃんの娘お由良もよかった。勘九郎ちゃんとの親子関係も巧みに、そうみせていた。橋之助さんの殿の残忍ぶりもすごかった。お家のために意見するものを手にかけ、苦しむ様をみながら一献飲む。高笑いが怖い。 萬次郎さんの腰元のしたたかさと自ら手に掛けることをなんとも思わない冷酷さが巧みでした。そんな立派な腰元も、若く美しいお小姓 七之助さんの前ではデレデレ。七之助さんの甘えっぷりが、上手い。しゃべり方を女っぽく、いかにも前髪のたよりなさがかわいい。でも腕は立つ。なるほど、結局こういう人が最後に全てをつかめるのかもと思わせる説得力のある立ち姿だった。さすが。
気弱な茶坊主 珍斉の勘九郎ちゃんがすごくよかった。弱気なのに結局渦中に巻き込まれていく。どうにもならない関係にがんじがらめになる。身体中で声にならない悲鳴をあげて翻弄される様子が軽やかでうまい。勘三郎さんみたいだなぁとついつい思ってみてしまう。
美しい女であれば、不貞を重ね、自分が欲しいものは殺して手に入れたらいい。どこか曲っているが耽美的。残酷で残忍で大袈裟。お家横領を狙うもの、命がけでお家を守るため働こうとするもの、愛の欲深さと権力への欲深さ。すざましい話なのだけれど、おおらかに進む。面白い。
これを面白いというと、人間として間違っていると思われてしまいそうで言い難い。でも夢中になった。谷崎歌舞伎を満喫。

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八月納涼歌舞伎 第二部

友人と歌舞伎座で合流。一緒に納涼歌舞伎第二部を。今度は3階の一列目から鑑賞。
最初は「信州川中島合戦 輝虎配膳」。軍師山本勘助の母 越路を萬次郎さん。腹をくくっていたのであろうが威張りぶりがすばらしい。気丈な女がよく似合う。激怒する輝虎は橋之助さん。時代がかっていてよかった。逆上しながら一枚また一枚とどんどんと衣裳を脱いでいく、辛抱ならんぞ!と。こういう表現方法が本当に歌舞伎っていいなぁと思う。お勝は扇雀さん。言葉がままならないため、琴を弾きながら怒りを鎮める。ここの義太夫の掛け合いがとても格好よかった。長一郎さんの三味線が吠えていました。必死に止めているところなのですが、その気迫にワクワクしました。 たとえ内容がわからなかったとしても、この掛け合いの迫力の醍醐味は感じることができるだろうと思った。
次に「たぬき」。火葬場で思いがけず生き返った金兵衛が、冷たい女房のところへ帰るよりもと妾のところへ戻るが。おかしみの場面が多いのですが、しんみりとした切ない芝居。三津五郎さん、元気になってよかった。 芸者お駒の萬次郎さんと 太鼓持蝶作の勘九郎ちゃんが、こういう家業の者だからと大店の葬儀に遠慮して参加する感じなどがいい。こういう場面で風情というものを勉強できるなぁ。妾は、七くん。いい女でした。綺麗なのだけど、幸せを逃しそう。そこがなんとも切ない。そりゃこっちに帰りたくなるよねぇと思わせるいい女っぷりでした。 太鼓持の勘九郎さんが、今月一番勘三郎さんぽかった。違うのはわかっているのだけれども、なんだか不思議な気持ちになりました。ちょこまかちょこまか動いても、なんとも言えない間合いがあって、すいよせられる。 中村屋の兄弟は、本当にいい。上手いし、みていてワクワクする。 七緒八くんが倅梅吉で登場。かわいい。勘三郎さんがここにいたら、どんなにデレデレになったでしょう。 何かにつけて、勘三郎さんを想う納涼歌舞伎でした。
久しぶりに逢う友人のブラウスとスカートと靴の3色が定色幕のような色あいになっていました。この日にぴったり。一緒に歌舞伎をみて、東京ステーションホテルでお食事しながらあれこれおしゃべり。たっぷり飲みました。なかなか素敵な空間でした。幸せ。

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2014年8月15日 (金)

今からあなたに50億円をお渡しします ~ヤゲオ財団コレクションより~

仕事帰りに近代美術館へ。「現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展 ヤゲオ財団コレクションより」をみにいく。この展示、とびっきり面白い。好き。気に入りました。
コレクターが購入した作品と、美術館が購入する作品の違い。美術界のことを考えて作品を収集するのと、個人の嗜好により収集することも違い。そこにいちいち美術作品の市場評価額がでてくる。作風が好きなことと、画家の死亡により作品の市場評価額がかわっていくことを同列に並べている。作品の解説と俗な感じが実に面白い。金銭をとりあげることは俗なことでなく、美術の価値についてよる深く思いをめぐらせるきっかけになるようという。作品を買うにはお金がいる。美術館にお金は無尽蔵にあるわけではない。この作品を購入するためにこれらの作品を売却した。そういうことがあると言われると変な抵抗を感じてしまった。が、そういうものなのかもしれない。時代により作家の評価は異なるということをそういえば知っていた。なるほど。考えるのが楽しい趣向になっている。
あるひとりのコレクターによって、たった四半世紀の間にお金を払って買われたものというこの作品達。全体にただよう統一感がある。アートとともに生活することというコンセプトがあるそうだ。実際に、台湾と日本の大大邸宅に飾られた様子をしめす大きなパネルもあった。本当だ本気で飾っている。自分が暮らしたい空間をつくるべく、美術作品を組み合わせるという楽しみの企画があった。
「今からあなたに50億円をお渡しします。」
展示室内に、いくつかコレクターチャレンジというマークがついた作品があった。出口にリカちゃんハウスのようなちいさなおうちがある。その横にコレクターチャレンジマークがついていた作品のミニチュアらが置いてある。その中から自分の嗜好で選んだ5点を おうちの中に並べると、独自に算定した市場評価額合計が出るようになっていました。私の選択では46億4000万という結果がでました。予算を使いきるに近い金額というお褒め?の言葉をいただきました。なにやら、あぜだか、すごーく満足しました。
サンユウという画家を知りました。とても気に入りました。ゲルハルトリヒターの川という作品の美しかったこと。きれいさに驚いた。いい。杉本博司の写真作品をみて、彼のすごさを思いだした。最近、古典芸能の演出という面ばかりみていたので。文楽に関してあの演出はやりすぎだなあと感じていた。そうだ、森美術館で彼の写真をみてびっくりしたのだったと思い出した。モノトーンなのに冷たくない写真。
ヤゲオ財団コレクションは、どれもこれも面白かった。いちいちお金の匂いがすることろも面白かった。いい企画です。もう一回みにいきたい位楽しかった。

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2014年8月14日 (木)

プチ夏休み・ヴァロットン展

おさると一緒に東京駅周辺であそんできました。なぜ休暇をとって職場に近い街であそぶのでしょう。
ずっと行こう行こうといっていた「ヴァロットン展」にいってきました。「大人のたしなみとしての変態」というキャッチフレーズにひかれて絶対にみにいこうと決めました。
ヴァロットン展は、意外がいっぱいで面白かった。タッチの異なる作品のようにもみえる。一人の画家が描いたとは思えないなぁ。「冷たい炎」とか「裏側の視線」など、彼を表現しようとする言葉もいい。版画の白と黒の世界。お洒落でシニカル。みればみるほどいい。じっとみていたくなる。激しい才能で圧倒するタイプでないが、目を離せない不思議な魅力がある。お金とか不貞とか、背徳感を感じる独特のタッチが、かっこいい。
部屋をかわると作風が異なる。同じ画家?と思うほど。リュクサンブール公園という作品が気に入った。家に飾りたい。人の心を尖らせない温かいものがあった。月の光という作品の美しかったこと。三菱一号館美術館所蔵品も意外と多く驚いた。さすが財閥。日曜美術館でヴァロットン展を取り上げた時の解説などを思い出しつつみる。おさると小声ですてきな変態ぶりを褒めながら鑑賞。ヒッチコックより早く効果的な画面の切り方を確立したって言っていたわねと復習しつつ鑑賞。一人でみるのももちろん楽しいけれど、一緒にみる時には別の楽しさがある。基本的に日曜美術館をみている人との会話は、楽しさのランクをあげてくれる。
しかし、会場である三菱一号館美術館本体はあまり好きにはなれませんでした。

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プチ夏休み・バルテュス 最後の写真-密室の対話展

ヴァロットン展をみた後、同じ三菱一号館美術館の別展示 バルテュス 最後の写真-密室の対話展をみる。上野の東京都美術館にバルテュス展をみにいき、その いさぎよい変態ぶりを存分に堪能した。面白かった。凡人は変態にあこがれ芸術を鑑賞することを愛すのだなと思った。最後に少し出ていた写真をみて、本展を楽しみにしていたのだが、うーむ。
個人的な意見ですが、これは別途開催する必要があったのであろうか。バルテュスの良さを感じることができなかった。みた後、気持があまりよくない。500円というのは お得だとおもったが、みた後ではそうも思えなかった。会場である三菱一号館美術館も、あまりすきではありませんでした。
大雨の日。ヴァロットン展をみた後、一度会場の外に出て 建物を半周し 別の入り口にまわるようになっていた。そしてこの展示。うーん。もう少し動線を考えることができるのではないだろうか。同じ敷地内なのに。古くからの建物なので、不便さも魅力ではある。それとは別に決まりが多くてちょっとうんざりした。道はあっても通しませんという感じ
一番好きでないところは、足音がうるさい床。次に動線の悪さ。入口と出口があんなに離れてわかりにくい。預けた傘はどすると思っているのでしょう。ロッカーもわかりにくい。行動を制約させる注意が多い。そこはだめ、こうしろ、ああしろ。それなのに、大切なことがわかりにくい。狭い展示スパースのところに、あえて小品を沢山をおくとか。みにくいじゃん。愚痴があふれでてしまうのであった。順路をこうすればいいのにとか、改善点ばかり考えてしまった。
こんなにいい建物なのに。いい美術館になるといいのになぁ。

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プチ夏休み・パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト

三菱地所をみにいこうと歌いつつ、三菱地所の悪口を並べ立てながら有楽町へ。歩いてみたら案外近くて驚きました。続いてシャンテで映画をみました。パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト。音楽史上、最も不道徳な男が奏でる最も美しい旋律。パガニーニにもすてきなキャッチフレーズがついていました。酒と女とヴァイオリンを愛し、ヴァイオリンに愛された男。でも本当にダメな男。偏ったことしかできないから、こんなにいい音がでるのね。才能をもらうことができた代わりに、いろんなものが手に入らなかった天才の生き方は激しくてみているだけでクタクタになった。ぐったりするのだけどみたい。ひきこむ力がある。みていて、以前みた画家ベラスケス ドラクウロワの映画を思いだした。彼もビンからワインを口に注ぎ込み、一切の妥協をしない生きにくそうで熱情的な男だった。人から理解されず称賛も受けない。民衆に見方を教えてもらう導く人がいないと、彼のすごさは理解されない。似ている。天才に圧倒されて、気分がよかった。こんなにもびっくりするのは楽しい。パガニーニは、 により一大スターへと押し上げられる。演奏を聞き、ご婦人方が悲鳴をあげ、失神する。ここが、すごくよかわかった。私をみた、お前のためだけに弾くと言われたとい容易に思いこめるものすごいオーラがあった。パガニーニを演じたのは、デイヴィッド・ギャレット。スーパースター・ヴァイオリニストだそうです。そうだろうなぁ。もうのすごい説得力があったもの。名器ストラディヴァリウスによる演奏だそうです。そういう億rという値段のつく法外なものがよく似合う人です。
才能があふれるが、本人は破滅していく。人生はちっとも幸せそうでないが、演奏しているときには凡人の我々が知り得ない天上に居るよう。ドラマティックな生涯なんて言葉で片づけたくないすごい世界をそっと覗く。すごい というかすざましい映画でした!好き。
プチ夏休みの一日の締めに、ニュートキョーへ。ビアホール。あれ、またここも赤レンガ。レンガデーでした。おひるにタイのヌードルとタイのビールをいただく。変態展と変態展をみて、おやつりにスパークリングを飲む。そして変態の映画をみて、最後に生ビール。泡・変態・変態・泡・変態・泡!こんな一日を最高!と思うわれわれもちょっとおかしいのかも。凡人のあこがれ「変態」へ少しだけ近づいた一日でした。

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2014年8月10日 (日)

ABKAI

市川海老蔵 第二回自主公演 ABKAI2014をみてきました。
最初は、義経千本桜 河連法眼館の段。佐藤忠信の引っ込みが少し違った。何もしないでひっこむという以前の型で演じたそうです。何もしないでひっこむのは難しいと最後のトークショーで話していました。あのもったいぶってはいることが好きなので、ないと不思議な感じがします。河連法眼館は、度々海老蔵さんでみたので、もうしばらくあけてからがいいな。壱太郎くんの静御前、かわいらしく姫らしかった。亀三郎さんの義経とよく似合っていました。
次に、新作舞踊劇『SOU~創~』。「古事記を基に、大胆な発想で構想する、喪われし神を巡る物語り」だそうです。また、上妻宏光も登場。舞踏も上妻さんも見せ場を作り、歌舞伎をわかりやすくし、あれもこれもというギュウギュウ詰め。舞台をシンプルにしたのが、かえって創作ダンスっぽくしていたような気がしました。最後に壱太郎くんと亀三郎さんが加わったら、韃靼っぽい踊りにみえてきてホッとしました。海老蔵さんが決めると、やっぱり見栄えがいい。成田屋の御弟子さんが活躍するのもうれしい。でも、一人が突出しすぎている。もう少し集団で競い合うという形での自主公演となったなら。その方が断然みに行きたくなる。
歌舞伎をみたことがない人に歌舞伎を知ってもらうということを真剣に考えていることは伝わりました。でもそれは、従来の歌舞伎である方がいいのではないかしら。あれころ考えた。海老蔵さんを見に行く時は、しばらくは自主公演でなく本公演だけを楽しもうかな。

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2014年8月 3日 (日)

マレフィセント

大竹しのぶが低ーい声で歌う歌にひかれて(あーなーたーのためにーいーきーてーきーたー)、母とマレフィセントをみにいってきました。思っていたよりもファンタジーでした。妖精的な。けっこうこういう世界が好きなので、私は楽しかった。森の生き物の女王は鉄に触れると火傷するというような設定も気に入りました。出世の為に、森のすてきな生き物を裏切った男が王になり、自分の罪に恐れ自分を失っていく。小学校の時の読み物のような世界。おろかな人間が森を破壊しようとし、正義が勝つ。私は好き。

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2014年8月 1日 (金)

オルセー美術館展

国立新美術館へ。「オルセー美術館展」をみてきました。すごく直接的なタイトルの展覧会です。
7月にお休みをしたときに行ってみたのですが、ものすごい人でいったん引き揚げました。金曜の夜に訪問。同じ混んでいる状態でも、金曜の夜の鑑賞者の方が譲り合いなどマナーがいいような気がします。出品作品リストが、表紙に東出昌大さんの写真ののった立派な冊子。84点もの有名な作品ばかりが、たっぷりとした空間に並ぶ。そりゃ、面白いにきまっています。ワクワクしながら鑑賞。マネの笛を吹く少年を効果的にとりあげていました。オルセーに行ってみるようりも、しっかりとこの絵をみることがきるかもしれません。展覧会の最初の部屋に1860年代のマネの作品が並び、最後の部屋に1870~80年代のマネの作品が並ぶというのも面白かった。 作品がたっぷりとあり、そしてくたびれすぎない分量。名作三昧。ひとつづつの作品が面白かった。今まで読んだ本や、授業や、日曜美術館での解説などを思い出しながら丹念に鑑賞しました。
グッズもなかなかいかしていて、気になりました。セザンヌのTシャツを買おうか激しく悩みました。セザンヌの書いた絵でなく、セザンヌの似顔絵Tシャツ。自画像でも人物画でもなく似顔絵なんてものだから妙に気にいっちゃった。買わなかったけど。
優雅な気分になり、会場を後にしました。

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