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2014年8月25日 (月)

趣向の華 ファイナル公演

なぜ最後なのかしらと残念に思いつつ、趣向の華を観に日本橋劇場へ通いました。
チラシには、3日間4種類の公演の演目名があります。出演者として、若手の御曹子連中14人と親御さんたち9人のお名前がずらり。どなたがどの演目に出演されるのか不明という、ざっくりさが斬新な会です。
初日幕開けの演目は、超シュールでした。そして不条理。シュール歌舞伎そうですねは、モダンアートのようでした。(「袴歌舞伎 表裏おうち騒動」)。続いて、「トークショー」。以前からグダグダな感じがよいところと思っていました。ファイナルらしいグダグダ感満載。続いて「煎じもの」。染五郎さん勘十郎さん菊之丞さんと会主3人による新作舞踏。決めるところがきちんと決まる。気分がいい。ここまで、少しぐずつきすぎていたのでね。勘十郎さんの踊りをみるのが大好きなので、よかった。最後に紅葉狩。中心に壱太郎くん。壱くんを中心に義太夫、長唄、常磐津がグルングルン演奏。真ん中で壱くんが囃子まくる姿をみて、みんなに愛されているなぁと思う。
翌日は「演奏 六斎念仏」すごくかっこよかった。昨日の疲れがとれました。4人の太鼓は、菊之丞さん染五郎さん新悟くん壱くんの順に輪唱のように打ち鳴らしていく。緊張感あふれていました。三味線は勘十郎さんをはじめずらっと。この三味線がかっこいい。レミラ調という普段用いることのない調子だそうです。確かに変わっていて、とにかく格好よかった。いいなぁ。毎日これを演奏したらいいのに。そのあとに、「袴歌舞伎 東海道仇討絵巻」とにかくありとあらゆる子を活躍できるようにという愛にあふれていました。まんべんなく活躍するものだから、まとまりとかメリハリとかがどこかへ行ってしまいました。でも愛情はいっぱい。転換や休憩が多く、盛り上がったなと思うと一休みでしぼんでしまうのがもったいない。
大分疲れがたまってきたところ、夜の部。この3演目最高にいいです。毎日夜はこれにすればいいのに。他の部と、よりバラつきが出ちゃう程完成度が高かった。新作でないので、多くの人がでない(そろぞれの見せ場をつくらなくていい)。袴歌舞伎でない。そこがよかったのかもしれません。若手の実力がついてきたことをみせつける舞台でした。よくでききていました。新派の「小梅と一重」。真山青果。特に私が注目している御曹司大集合。謎の色気あふれる米吉くんに、上手過ぎ梅枝くんに、愛される人壱くん。お洒落番長の歌昇くん。面白かった。米吉くんの芸者蝶次のっぷりが見事。かよわい中のしたたかさ。男子は軒並みだまされるでしょう。女子力の高さに恐れ入りました。かないません。女子力師匠です。飲んで手をつけられなくなった芸者小梅が壱くん。酒乱っぷりも面白い。昔藤十郎さんがなさったお役だそうです。目に浮かぶような小梅っぷりでした。そんな三角関係に意見しようとするのが、一中節の師匠の梅枝くん。達者。その貫録たるや玉三郎さんのようでした。姉さん!茶屋の梅乃さんと蔦之助さんもしっかりしていて、本公演でいけるのではとおもう程面白かった。次に怪談蚊喰鳥。宇野信夫さんの芝居。蚊喰鳥は蝙蝠のことだそうです。後味の悪い終わりですと聞いてから芝居をみる。怖い怖いと思って観る。何か起こりそうで、絶対にそろそろという空気なのだが まだこない。人として間違っているからきっとバチがあたるであろうと思うけど、いざ起こるとなると怖い。起こりそうで起こらない怖さっていうのが新鮮だった。亀寿さんの悪人っぷりも新鮮。亀三郎さんの按摩2役も巧みでした。みんなに好かれているのが常磐津の師匠をしている壱くん。集中してみせる力がありました。こういう演目が続くと、もうファイナルなのも仕方ないかなと思う。しっかり育っています。最後に「花の万華鏡」宝塚の演出家による歌舞伎レビュー。違う世界なのだけれど、うまい具合にいい違和感があって面白い。これこそ趣向の華!宝塚ぽくて極上でした。浴衣やら紋付やらとっかえひっかえ。流し目風にお客様に視線を送るの。舞台の上は真剣ですが、見ている方はたびたび爆笑。梅枝姉さんがトップスターという扱いでした。すばらしい。ビバ趣向の華。いい締めです。
私的最終回。「袴歌舞伎 雪解真徳利」春虹先生作とみんなが口ぐちにいっていた壱くん作演出。忠臣蔵外伝。言いたいことが沢山詰まっているのを、なんとかしぼって仕上げようとした努力を感じました。いい台詞を沢山用意し、心に響くものをという思い満載でした。少々思いが重たいところもありましたが、じーんとしちゃった。あつい舞台でした。菊之丞さん演出の「三軒長屋」。毎回恒例の落語の歌舞伎舞台化。この企画はすばらしい。もう少し練れそうな気も少しします。ファイナルになっちゃうのは断然惜しい。ドリフを彷彿とさせるテンポで、きちんと歌舞伎。舞台の場面展開に時間をとられることない工夫も素晴らしい。新悟くんが鳶頭の女房。威勢良く叱り飛ばしていく様がすばらしかった。ドリフでの位置ならいかりや長助です。たくましい。うまくなったなぁ。梅枝くんが鳶の若い者。こういうのもこんなにうまいのか。なんでもできちゃう男です。けれどもアドリブはからきしのようです。歌昇くんの鳶の若い者との組み合わせがよかった。翫雀さんの舞台あらしっぷりがものすごかった。残らずさらっていきました。ベテランをみせつけていました。あー面白かった。くたくたになるほどみました。

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