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2014年9月10日 (水)

『ぼくを忘れたスパイ〈上〉〈下〉』

父が、一気に読んでしまったよと言っていたので借りて読む。キース トムスン (著) 熊谷 千寿 (翻訳) 『ぼくを忘れたスパイ〈上〉〈下〉』 (新潮文庫) 。くたびれた。
借金だらけの 競馬狂チャーリーが主人公。電気メーカーに勤務していた平凡な父親も もう現役をしりぞいている位の年齢の親子。競馬での借金に首が回らなくなり、いよいよ追い詰められているというのに、借金を競馬で挽回しようとする。働きたまえチャーリーよ。パッとしないだけでなく追いつめられているダメチャーリーは、真面目な父親と会うこともない暮らしを送っていた。そりゃ合わす顔はないよねとチャーリーを怒りながら読む。
父親と交渉のない毎日を送っていたが、父のことで呼び出しをうける。認知症らしい。その電話からどんどんチャーリーの毎日の歯車がかわっていく。尾行され、誘拐されそうになる。家は爆破され、殺し屋までも出現する。何が何やらわからないうちに殺人犯になっている。しかも親子そろって。父は普通の営業マンではなかったのか。ぼんやりとしている認知症の父は、最大の危機を迎える時だけはっきりとする。なんとも鮮やかに危機を切り抜け、チャーリー共々脱出する。父は 辣腕スパイだったのだ。スーパーヒーローなのである。もう驚愕だらけ。常に追われ、常に危機一髪の場面にまる。追ってくるものは悪者でなくCIAだかFBIだかみだいだし、父は元CIAみたいだし、誰も信じられず、どこも行くあてがなく、敵は恐ろしく執念深く かつ 沢山いる。助けて~と思いつつ上下を読み切る。
父がそんなに執拗に追われる程の国家機密って何だったのだろうだろう。知ったら読んでいるこっちの命に関わるような気がして、そこはぼんやりと読むようにしちゃった。敵の手口は、けっこう残酷なんだもん。面白かった。そして大層くたびれた。
チャーリーがどんどんたくましくなった。ハリウッド映画だと身体がたくましくなりそうだけど、チャーリーは心がたくましくなった。弱いのに立ち向かう。自分がやられて事態を動かそうと思うほど。心が強く腕っ節が弱っちいチャーリーもまたスーパーヒーローにみえた。

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