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2014年10月10日 (金)

十月大歌舞伎 夜

母と歌舞伎座へ。母のお誕生日月なので奮発。最前列で堪能してきました。
十月大歌舞伎 十七世中村勘三郎二十七回忌・十八世中村勘三郎三回忌の追善興行。夜の部を鑑賞。ロビーの左右にお二人の写真が。十七世は白いバラがお好きだったのでしょうか。お写真の前に白いバラと香が。十八世は秋草と手の像と香が飾られていました。実際に十八世が愛用されていた器だそうです。手の小ささにびっくり。この手でいろいろな所作をみせてくれていたのだなぁと。しんみりする。
夜の部は、寺子屋から。松王と千代に、仁左衛門さんと玉三郎さん。この夫婦と相対することで、より重厚感がでた。ベテランの威力ってすごい。心に沁みるすばらしい寺子屋でした。源蔵・戸浪夫婦の勘九郎さん・七之助さん夫婦の苦難や覚悟がたまらなかった。それを知ってみるから、幕開けの寺子屋の山鹿育ちの子供ら
のあどけなさがほほえましくかつ悲しかった。野崎村もそうだなぁ。
菅秀才の為に自分が鬼になってというのでなく、お主のために手を貸してくれ、その命を捧げてくれと小さな子供にまで必死に頼む。そのために巡る因果は、我ら夫婦が引き受け、背負っていくという覚悟にあふれていた。松王が首実検をする時、もし見抜かれたらば なっこの刀で よいな と何も言葉には出さず、源蔵は戸浪の手を握り、脇差をこっそり渡す。合い分かったと袖のしたに脇差を隠す。お互い顔もあわさずに。緊張感が溢れる。息を止めてじっと舞台をみつめる。源蔵・戸浪夫婦側に立っても気持が入るし、松王の側にたっても気持が入る。自分の大切な小太郎を、その首を討たせるために寺入りさせる。その寺子屋に、その首を見分にくる。さぁ討てという時に心の無言の叫び。奥でする物音に、流石に身体が反応してしまう様子がたまらなかった。千代は、自分に刀を向ける源蔵に必死に問う。菅秀才のお身替り、お役に立てて下さいましたかと。万に一つ手違いがあり未だ生きているのではないかと持ってはいけない希望を、自分で断ち切る。母の非痛な叫びがたまらなかった。千代に泣くなという松王。うちでさんざん吠えたじゃないかという言葉に労りがあった。かわす言葉ひとことひとことが重く、意味があり、心に沁みた。すばらしい寺子屋でした。

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